EBARA技術職座談会 Vol.1

荏原のモノづくりの根幹、生産プロセスの最適化や品質向上に貢献する『技術計画、品質保証・品質管理、生産管理』の職種の先輩社員と学生との座談会(2024年2月15日 オンラインにて開催)の様子をお届けします。

Member

技術計画(新卒5年目)

小木田 恭悟

技術計画(新卒5年目)

エネルギーカンパニー

New Apparatus Business Unit 

技術計画第二部(ハイドロ)

アプリケーション第二課



生産計画(キャリア4年目)

齋藤 壮

生産計画(キャリア4年目)

精密・電子カンパニー

装置事業部

生産部 熊本生産計画課 

品質保証(新卒27年目)

峰 匡徳

品質保証(新卒27年目)

インフラカンパニー

企画管理統括部

品質保証部 品質保証課

エネルギー×技術計画 Room

Q 小木田さんの仕事内容を教えてください。

2019年入社後約2年間、カスタムポンプの設計業務に従事していましたが、2021年に現技術計画課に異動し、カスタムポンプ、ギアボックス、流体継手などの受注前の技術計画業務を担当しています。具体的には、見積(技術/価格)資料の作成などが主な仕事です。担当の案件は、国内/海外を扱っており、海外のお客様と商談のため年に数回海外出張もあります。

Q 技術計画という仕事にあまり馴染みがないので、普段の業務でどのような知識が求められるか気になります。例えば、設計に関連して物理学や四力が使われると思いますが、普段の業務ではどのような知識が必要ですか?

基礎知識としては流体力学や物理学、材料工学などの知識が役立つと考えます。計算知識も重要で、基本的な計算はエクセルに組み込まれていますが、お客様からの計算に関する質問に答えるためには理解が必要です。そのため、組み込まれている計算のロジックを理解する基礎的な能力(主に4力)があれば技術計画の仕事を十分にこなせると思います。

回答者:小木田

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Q 設計業務から技術計画に異動され両方の業務の経験があるとのことですが、それぞれの仕事のやりがいについて教えていただきたいです。また自身にとってどちらの業務が向いてますか?

 2年程経験した「設計業務」については、実際の仕事内容が、自身の学生時代のイメージとは異なりました。具体的には、3DCADや図面の作成をするのではなく、お客様とのやり取りや客先提出資料の作成、部品の手配など、学生時代にはあまり想像できなかった業務内容でした。これらに取り組む中で、効率的に業務をこなすことに関心を持ち、Excelの関数やVBA等を学んで業務をサポートするツールを開発することで、やりがいを感じるようになりました。

 技術計画に異動した後も、同様に効率化や業務改善に取り組むことでやりがいを見出しています。受注前の仕事では、お客様への見積資料提供の迅速化に注力し、若手中心に様々なツールを活用して業務改善の取組をしております。私自身は、現在の技術計画業務の方が適していると感じています。案件にもよりますが、見積資料の作成は正確さとスピードの両方共に重要です。両立は難しいですが、こなす為には100%完成された資料を作成する前に約60~70%の完成段階で課長に確認依頼をし、その後に資料の完成度を上げて精度の良い資料と完成の早さを両立させています。もちろん、どうしても提出要求日に間に合わない場合は営業担当とスケジュール調整等も行います。日々、スピード感をもちながら仕事をすることが好きであり、技術計画の仕事に適性を感じています。

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Q 技術計画は、人との関わりが多い仕事なのかなと思うのですが、実際はどのような感じなのでしょうか?

技術計画は人との関わりが多い業務です。社内では営業担当者や生産管理課/生産技術課、調達課、更には開発課等々、メールでのやり取りや打合せ等々があります。社外とのやり取りは、多くはないですがお客様との技術的な打合せもあります。また、ポンプ部品や周辺機器のベンダー様との関わりもあります。

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Q 海外で働きたいという気持ちがあるのですが、可能性はありますか。また語学苦手な社員対象に教育支援など結構充実していますか?

 海外でキャリアを築いていくことは可能だと思います。実際、社内では全社員を対象に海外で最大二年間働くことができるプログラムもあります。荏原には、グループ会社が海外にたくさんあります。語学力が長けていたり、自ら「行きたい!」という気持ちがあれば、海外で勤務できる可能性は十分にあると思います。

 語学の教育支援も充実しております。年に1度TOEICやその他語学試験が無料で受験できたり、語学講座に割引制度があったりしますので、かなり充実していると思います。

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Q 入社五年目ということなんですけども、大学生活の中でこの経験が今のこの仕事に活きているなというものがあったら、教えていただきたいです。逆に入社するまで何も知らなかったけど、入社後の研修制度で新しく学んだことがあれば教えていただきたいです。

まず、学生時代の経験が現在のこの仕事にどの程度活かされているかという点ですが、直接的には活かされている実感はあまりないです。私自身は大学時代に機械系を学び4年間を過ごしましたが、大学時代に培った、どんなことにも真剣に取り組む、困難に立ち向かっていく精神は社会人になっても活かされていると思います。その人の基本的な価値観や姿勢は学生生活で築かれるものだと感じます。 また、入社後の研修制度に関して、部署によると思いますが基礎研修の後、約一年間のオンジョブトレーニング(OJT)が設けられています。先輩社員と一緒に実務を学びながら、必要な知識を吸収していく環境が整っていると私は思います。業務に必要な知識は入社後に身につけてきたことが殆どです。

精密・電子×生産計画 Room

Q 齋藤さんの仕事内容を教えてください。

CMP装置(Chemical Mechanical Polisher)における受注後の生産計画策定、設計情報に基づいて部品の手配等が業務内容です。また、生産計画に基づいて部品を出庫し、工程上の問題対応などにも携わっています。この仕事は、1000人以上の従業員が関わる重要な業務であり、スケジュールや進捗状況、課題などを関連部門で共有する責任があります。また、お客様への納品後のサポート業務も担当しています。

Q キャリア入社者の齋藤さん。前職の経験が現職で活きたこと、もしくは逆に戸惑ったこと等があれば教えてください

前職は住宅建材メーカーで、現職と同じ生産管理の仕事に従事していました。 具体的には生産計画を立てたり、営業と現場の間に入って、いろいろとコントロールしたりと現職でも活きる仕事を担っていたため、全体的な生産計画の立て方やモノの流れなどについて戸惑うことは無かったです。 一方で、障害に感じた点もありました。具体的には、半導体の製造装置は 巨大な装置で、且つ部品も一点物が多いため、注文してから半年・一年と待たないと納入されないケースが割とあります。前職時代は翌日には部品が手元に届いていたので 、そのあたりのスケジュール感が異なることに、最初は少し戸惑いました。

回答者:齋藤

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Q どういう人財(人物要件)が生産計画の仕事に向いていると思われますか?

必要不可欠な業務に関する事柄は、実際に入社してからOJTなどを通して身につければ良いと思います。 それよりも、今から色々な人とひるむことなく自ら積極的にコミュニケーションをとることができる… そんな力を身につけておくと良いと思います。荏原の社員の中には、職人気質で黙々と仕事をされるタイプの社員の方も少なからずいらっしゃるので(笑)

Q 普段の業務において苦労されている点や工夫されている点は?

現状で熊本事業所のCMP装置を生産する能力は月20台ほどですが、 需要がうなぎ登りということもあり、現在は40台の生産ミッションに取り組んでいるという状況です。 ただでさえ生産が難しい状況下で、もしも生産ラインにおいて一台の装置が ストップしてしまった場合は、後続の装置の生産工程もすべてストップ してしまうことになり、同時に各納期も遅れることになってしまいます。そういった事象が極力起きることの無いように、 従業員間で昼夜二交代制など、様々な働き方の工夫を行っています。 これまでの仕事でもっとも苦労したエピソードについては、2023年の新機種 F-REX300XAの生産計画の策定をしたこと。その仕事を終えた時の達成感や皆で成し遂げたという感動がとても大きかったことは、今でもはっきりと覚えています。

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Q 普段、他のカンパニーの社員と連携・協働することはありますか?

他カンパニーの社員の方と実務上で関わることはほぼありません。ただし例えば現在は全社共通で、とあるシステムを導入するべく動いているプロジェクトがあるため、そのことを介して関わることはあります。 他にも、カンパニーや部門をまたいでの社員研修やイベントの際などでも関わる機会はあります。

Q 熊本事業所の周辺環境などについて教えてください

熊本事業所の周囲は豊かな森林に囲まれています。従業員はその多くが通勤30分圏内の地域に居住していますが、遠い人では熊本市内や久留米市内からマイカー通勤などをしている方もいます。事業所の 周りには何も無いぶん、事業所内にある各種施設はとても充実していて、 社員食堂の他にもスポーツジムなどが完備されています。

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Q 配属先は最初から決まっていましたか?EBARAは実力主義ですか?

キャリア入社組は最初から配属先が決まっています。新入社員の場合も、会社が「職種別採用」を行っていることから、基本的に初期配属地は決まっています。会社の評価体系については、多少の社員の年齢的な考慮はありつつも、基本的には実力主義の会社です。年始に自身の目標を設定し、年度末に各上長から評価を受けるというフロー。 ちなみにカンパニー毎では、業績の良し悪しによって、その期のボーナス額につど反映されます。 現在、精密電子カンパニーはおかげさまで業績がとても良く、嬉しい状況が続いています。

生産管理の仕事において海外に出向くということはまずありません。生産管理の仕事は、 あらゆる業務の窓口としてその仕事は多岐にわたります。 ちなみに、精密電子カンパニーにおいて海外に頻繫に出向く職種の代表例としては試験課という職種があります。

Q 海外勤務の機会はありますか?

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インフラ×品質保証 Room

Q 峰さんの仕事内容を教えてください。

品質保証課で工場の品質保証業務やクレーム、不適合対応などが主な業務になります。具体的には、納入後に現地でポンプ軸受けが焼損するトラブルが発生した際には、情報収集、原因調査、要因分析を行い、顧客向けの見解書にまとめ、客先報告を行います。標準発注仕様書の確認業務では、部品製造に関わる標準発注仕様書の変更箇所を確認・調査し、承認を行います。また、過去に発生した不適合について関係各課と事象確認、再発防止策の策定を行うのも、主要な業務の一つです。

Q 品質管理と品質保証の違いを教えて下さい

私が勤務している富津工場においては、品質管理課はどちらかというと検査業務、所謂製品を出荷する前に品質基準を満たしているかどうかのチェックを行う部署となります。一方、品質保証課は工場全体の様子を見たり、トラブル対応を行うことで、品質を向上させていくといった役割を担っています。そういう意味では、品質保証は全ての部門と関りが持て、日本中・世界中の顧客を相手に、オールマイティに活躍できるのが仕事の魅力だと私は思います。

回答者:峰

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Q 品質保証で求められる能力は何ですか?

やはりコミュニケーション能力が重要だと思います。人の話をよく聞き、意思疎通をきっちり図り、言ったことはやり切ることで、顧客および社内外の関係者との信頼関係が築かれ、最終的には品質の向上につながっていくと感じます。

Q 海外勤務を行った経緯、現地で苦労した点について教えて下さい

サウジアラビアにメンテナンスショップを立ち上げ後、品質保証・品質管理の人材が必要という事で、白羽の矢が立ち赴任しました。英語は得意な方ではなかったので不安もありましたが、入社後に仕事をする中で身に付いたレベルの英語で意外となんとかなりました(笑)。実際、現地には日本人の駐在員も10名程おり、重要な会議は日本人だけでやるケースもあったので、英語漬けの毎日という訳ではなかったのですが、ローカルのスタッフにはもちろん英語で指示をしないといけないので、大変なところもありました。文化の違いもあるので、「言った言わない」とならない様に、具体的に指示を出す・メールに指示の内容を残す等の工夫も行っていました。現地でのマネジメント業務を通じて色々な経験をさせてもらい、度胸も付きましたし、人間として一回り成長できたなと感じます。

Q 海外出張もありますか?現地でのコミュニケーションはどの様に行われるのですか?

昨年は、年末に顧客対応のため2週間程韓国に、その前は中国の青島工場に監査のため1週間程出張を行いました。結構海外に行く機会も多く、出張の期間は大体1週間、長いと2週間といったイメージです。単独で行くことはあまりなく、生産技術や調達の方と2~3名体制のチームで行くことが多いですね。コミュニケーションは英語が中心ですが、韓国は割と日本語が通じる方も多いので、日本語でのコミュニケーションもしくは通訳を付けるケースが多いです。中国は地域にもよりますが、英語が通じないケースでは通訳を付けるケースが多いので、語学が苦手な方も不安を感じて頂く必要はございません。

Q 品質保証の業務を行う上で、学生時代に勉強しておいた方が良いことは何かありますか?

私は学生時代に流体力学を専攻していましたが、入社後に学んだ知識が活かせたかというと、工場全体の製造を見る上ではあまり関係なく、ほとんどなかったというのが本音です。一方で、意外とサブで履修していた材料力学の方が実際は役に立ったという経験があります。特別何かを勉強しておいた方が良いということはないのですが、様々な知識を必要とする業務ですので、広く浅く色々勉強されておくと、意外なところで役に立つことはあるかもしれません。ただし、知識は入社後に身に付けられますので、ご心配は無用です。

Q 新卒で入社されてから26年間続けて来られた要因はどういったところにあると感じますか?

インフラの大型ポンプの案件は、一つ一つ始まってから終わるまでが長いというのが大きな要因かもしれません。案件のキックオフの会議に参加して、製品の設計がスタートしてから半年、製品の製造を始めてから半年、その後出荷まで1年を超えることも決して珍しくありませんので、それを一つずつ関わりながら見届けていく中で大きなやりがいを感じることができたことが一番の理由でしょうか。