荏原の未来を創造する

~エンジニア座談会~

 荏原のコーポレート部門には、次世代製造技術研究部や研究・知的財産部、新規事業の部署等、『荏原の未来を創造する』エンジニアが活躍できるフィールドがあります。今回はこれらの部門で活躍する先輩社員にスポットをあて3つのルームで座談会を開催した様子をお届けします。

Member

次世代製造技術研究部

装置開発課 

小山 哲也

装置開発課 

CP水素関連事業

航空宇宙技術課

藤原 悠太

航空宇宙技術課

CP水素関連事業

水素技術(回転機器)課

山﨑 賢

水素技術(回転機器)課

技術・知的財産統括部

化学・分析研究課 

近 隼也

化学・分析研究課 

技術・知的財産統括部

電機・制御技術研究課

髙尾 俊哉

電機・制御技術研究課

Q まずは、皆さんの仕事内容を教えてください。

小山 哲也

キャリアの入社1年目で、学生時代の専攻は機械工学(ロボット関連)でした。
現在は、次世代製造技術研究部で金属3Dプリンタの研究開発に従事しています。私はこの部署で、金属3Dプリンタの要素機能の企画・開発・装置設計を担当しています。 具体的には、加工点に供給する金属粉体をレーザーで溶かしながら肉盛りを行い、任意の3次元形状を作り出す関連技術の開発をしています。私の所属している装置開発課の他には、プロセス開発課、制御技術開発課、生産技術課の4つの課で3Dプリンタの研究開発が行われています。 業務の基本的な流れは、開発計画の策定から開発の実施、必要なものの設計や手配、実験機の組み立て、実験の繰り返し、データの取得と改善に至るまでです。現在は、世界最大級の金属3Dプリンタの要素技術開発と装置設計に取り組んでおり、様々な先端技術に関われる点や規模の大きい装置開発に関われる点が、私の仕事の魅力です。

藤原 悠太

新卒1年目で、学生時代の専攻は航空宇宙工学です。
航空宇宙技術課は、宇宙グループと航空グループに分かれており、私は宇宙グループに所属しています。主にロケットエンジン用のポンプに関わっています。航空グループでは、水素航空機用のポンプに関わることになります。開発業務は主に市場調査から販売までの一連の業務に携われますが、新卒1年目の今年は主に設計や構造解析、試作試験などをやっていました。今年からは新しいポンプの開発が始まるので、新卒2年目からは、市場調査から販売までの一連のプロセスに関われると考えています。現在、弊グループではロケットエンジンのための電動ポンプを主に開発しています。従来はタービンでポンプを駆動していましたが、モータで駆動させることで複雑な配管が不要になり、制御性が向上するというメリットがあります。ただ、ロケットエンジン用電動ポンプ開発においてはポンプ部の流体設計だけでなくモータやバッテリー、インバータなどの軽量化といった電気系課題を解決していくことが重要であり、モチベーションとなっています。

山﨑 賢

新卒7年目で、学生時代の専攻は流体工学、流体機械(ターボ機械)でした。 入社当初は建築・産業カンパニーの系の陸上ポンプ開発部署に所属し、2022年から現在の業務に従事しています。 私たちの部署は、E‐vision2030にも記載されているように、カーボンニュートラルな社会を実現するための一環として、水素社会の構築に必要な機器類を開発しています。そのためには、お客様や部品メーカーさんらと共同で想像し、共に作り上げています。これが私たちのミッションです。私たちの開発のターゲットは水素サプライチェーンの構築の一翼を担うことです。水素サプライチェーンとは、海外から液体水素やガス水素の輸入から始まり、発電や水素ステーションへの供給などが含まれます。そして、その運搬にはポンプ技術が必要です。私たち部門では現在、水素発電に向かってその燃料である液体水素を供給するためのポンプを開発しています。

近 隼也

キャリア入社5年目。学生時代の専攻は有機材料システム研究科(高分子、炭素材料CNT、CBに関する研究)でした。
当社は、精密電子、インフラ、環境、建築産業、エネルギーの五つの事業に分かれています。私が主に関わっている精密・電子事業のCMP装置部門で、そこには開発部門、設計部門、製造部門から構成されていますが、各部門で、さまざまな課題があります。例えば開発部門では、素材の強度や材料費の問題や、設計部門では、設計上の問題がないのに、何かがうまくいっていないとか。製造部門では原因不明のトラブルが発生することも。私の部署、業務内容は、分析技術を用いて開発・研究、クレーム案件などをサポートすることです。 具体的に紹介しますと、分析委託業務では、社内からの依頼に応じて、装置を使用して分析し、原因の解明や耐久性の評価などを行います。また、外部の分析会社と連携し、対応が必要な場合にはそちらに委託することもあります。また、もう一つが研究業務で、自ら研究テーマを発案する場合もありますし、事業部から提示された研究テーマにも取り組みます。さらに、学会特許取得や学会発表などの活動も行い、最新の技術動向を把握し、装置インフラの整備にも取り組んでいます。私たちの部署は、様々な課題に挑戦し、広い視野で深く取り組んでいます。

髙尾 俊哉

新卒2年目です。学生時代の専攻は機械工学専攻(流体機械関連)でした。
私の主な業務内容は、近さんと同じように一つのテーマに取り組むというものではなく、各カンパニーや新規事業に横断的に業務を行っています。当課の特徴は、『専門的な分野にとらわれない、なんでもござるの技術者集団』です。私自身、技術者としてはまだまだですが、所属している課には電気専門や圧縮系の設計ができたり、スペシャリストがたくさん在籍しています。同じ課の技術力の高い先輩社員に憧れて、自身もそうなりたいなと刺激を受けながら日々業務に取り組んでいます。

次世代製造技術研究部 ROOM

 

Q.金属3Dプリンターは何を目的として作られているのでしょうか?

小山:荏原って小さいものから大きなポンプまで幅広く作っている機械メーカーという印象があると思うんですけど、金属の3Dプリンターもそういった自社のポンプ製品の製造に使える様な装置の技術開発というものを目的に行っています。今だと、ポンプって鋳物(鋳造)で作っているんですけれども、ポンプのケーシング形状や中の羽根車の形状を金属の3Dプリンターによる積層造形、層を重ねていって作ってあげることで、製造効率の改善であったり、今まで鋳造だとできなかった複雑な形状、複雑だけど性能が良い形状が作れるんじゃないかという事で金属の3Dプリンターの開発を荏原でやっている形になります。まずは自社製品を作る製造技術として研究を行い、装置の完成後に社内で実績を積んだ後は、外販もしていこうという考えもあります。

Q.学生時代はロボットを専攻されていたということで、現在の3Dプリンターとは分野が異なると思いますが、苦労されたことはございますか?

小山:学生時代の研究内容が100%活かせる人っていう方が珍しいと思います。私が新卒で入った会社も今いる荏原も、自分が研究していた分野をそのまま引続きやれているかっていうと、そういう訳ではなくて、ちょっとはかぶっている部分もあるかもしれないんですけれども、基本的には全然関係ないことをやってみたり、という人の方が多いと思います。ただ、研究内容で培った市場調査というか、先行研究を調べて、こういう問題がある、こういうアプローチが現在の手法で行われている、じゃあ自分はこういったアプローチでやってみよう、そうするとこういう結果が得られて先行研究と差別化できるはずだっていう、そういった考え方・フローっていうのは専攻関係なく活かせているかなとは思います。思いっきりロボットの専門分野が今の仕事に活かせている訳じゃないんですけど、ロボット関係の研究を行っている中で培った考え方、仕事の進め方っていうのは荏原でも前職でも活かせていた部分かなっていうのは思います。

Q.金属3Dプリンターの技術を研究している会社は他にもあると思いますが、荏原が自社で取り組んでいる理由はどうしてですか?

小山:自分達でやっている理由としては、比較的大きな造形物、大きなポンプのケーシングだったり、大きな羽車、そういったものを私たちの開発のターゲットとしていることです。国内も海外もそうなんですけど、そこまで大きな金属の造形ができる金属の3Dプリンターってなかなかないんですよ。一方で、荏原の社内では大きな金属3Dプリンターの需要があるので、そしたら私たちで作ろう、荏原で作って、金属の3Dプリンターの技術を取り込んで、それを製品製造に活かして、やっていこうみたいなモチベーションで行っています。

Q.熱と誠を感じる場面はありますか?

小山:ベンチャースピリットを持ってやっているというのは、部内でも感じます。ポンプっていう絶対今後なくならない安定した事業を持っている、半導体製造装置っていう利益率の高い絶好調の部門を持っている、そういった安定した基盤があるからこそ次世代製造技術研究部の様に、ベンチャー気質を持って色んな所に手を出せる、新しい事業を作っていけるっていうのが、荏原の魅力だと感じます。また、上司のパッション、熱量も感じます。あまり部長・課長が自分で手を動かしてっていうイメージってないと思うんですけど、私の部署の上司は自分で文献調べたり、こんな風にしてみてはという提案をしてくれたり、実際に自分でモノを作って、実験も行います。情熱を持った人が課や部を率いていて、非常にやりがいを感じます。

Q.金属3Dプリンターはこれから盛り上がっていく事業なんですか?

小山:先程水素のロケットエンジンのお話があったと思うんですけど、ロケットの部品とかって配管が多くて、複雑な部品が多くて、小さい部品がたくさんアセンブリーされて、一つの部品やユニットを構成しています。そういったロケットの部品を金属の3Dプリンターを使って作ってあげると、一回でまとめて造形できて、軽量化だったり、複雑な形状ができる、性能が上がるみたいなところがあるんですよ。ロケットビジネスおよび宇宙ビジネスは今後右肩上がりで上がっていくことが予想されているので、金属3Dプリンターの需要としては、今後も右肩上がりで上がっていくんじゃないかと思います。

コーポレートプロジェクト水素関連事業 ROOM

Q.荏原へ入社した決め手は?また入社してからは期待通りの状況ですか?

藤原:私の場合、修士の研究でロケットベンチャーと共同研究していたので、ロケットベンチャーの内情なども把握したうえで就活をしていました。ロケットエンジン用のターボポンプという技術を追求したいと思っていたので初期から設計に関われるチャンスがあり、それが荏原できると知り、この会社を選びました。入社後、本当にやりたいことに取り組むことができています。タイミングも良かったですが、自分の目標に向かって進むことができています。

山﨑:入社のきっかけは大学の研究テーマが偶然にも荏原製作所と共同研究でした。共同研究の際、先輩社員とお話する機会があり、その人たちの人柄や会社の雰囲気が良いと感じ、その縁もあって入社を決めました。入社当初は、嫌なことがあっても3年くらいは耐えればなんとかなるというマインドで入社しましたが、幸いなことに嫌なことはほとんどなく、むしろ楽しく、今まであっという間だったという印象を持っています。 

Q.山﨑さんにお伺いします、別カンパニーから今の部署に異動された経緯について教えてください。

山﨑:異動経緯としては、私はもともと建築・産業カンパニー系のポンプ開発を担当していました。しかし、実は昔からロケットなどに興味があり、いつしかそんな仕事ができたらなぁと思っていました。そんな時に社内で水素事業のエンジニアを募集するという公募があって。この機会を逃すと、自分がずっと夢見ていたことが叶わないかもしれないと思い、勇気を出して上司に相談し、チャレンジしたいと伝えました。結果として、航空宇宙系ではないものの、同じような技術が求められる場にチャレンジする機会をいただきました。

Q.大学では電気を専攻しているのですが、航空宇宙事業や水素事業において、電気の専攻は活かせますでしょうか。

藤原:航空宇宙技術課では、現在、航空機および宇宙機のモーター駆動やポンプ開発に取り組んでいるので、電気系の専門知識を持つ人材は是非来て頂きたいです。機械系のエンジニアは多いですが、電気に詳しい人材は少ないため、電気の知識は大変活かせると思います。

山﨑:そうした質問は非常に重要ですね。私自身も同様で、電気に関してはほとんど知識がありません。ただ、ポンプを動かすにはモーターが必要であり、その駆動には電気が必要です。メカトロニクスという言葉がありますが、これはメカニズム(機械)とエレクトロニクス(電気)が組み合わさった言葉です。両方の知識を持つエンジニアが望ましいですが、現状は片方のみが多い印象です。私も電気について勉強中ですので、電気の知見のある方は積極的に同じ部署に入ってきてくれるとありがたいです。むしろ、とても大事な人材だと思っています。

Q.配属される業務は、大学での研究との関わりが多いように感じます。大学での専攻や研究内容と会社での配属先が一致しているというイメージが正しいのでしょうか?

藤原:概ねそのような傾向がありますが、そうでない方も沢山います。例えば私の同期にはプラズマの研究をしていた人がいますが、その人は数学も得意で、研究テーマとは異なる分野でも優れた能力を持っていて研究テーマとは違う分野で今活躍しています。ですので、研究テーマよりも、業務への取り組み方やる気のほうが重要だと感じます。私の航空宇宙事業でも、航空宇宙専攻以外の四力学を専攻されていた方や数学の素養がある方などが活躍しています。熱意さえあれば大丈夫と思います、どんどんチャレンジしてください。

山﨑:私自身も、大学で学んだことと実際の仕事ではギャップしかなかったです。流体工学を専攻して、なおかつ共同研究もしていたので、ポンプのことを知っているつもりでした。が、使う知識が違いました。学生時代の研究はアカデミックな視点で物事を見ていますが、エンジニアとして実際に製品を開発するとなると、材料工学や熱力学、機械振動など幅広い知見が必要と感じました。学生時代の専攻というよりは、入社後に実務で学び続けることが大事だと感じます。むしろ自然とそうなります。社会人になって、日々学びながら成長してくものですので、専攻はあまり関係ないと思ったほうが良いと思います。

Q.山崎さん、先ほどの自己紹介で、水素社会を実現するための機器開発に関わっているというお話でしたが、具体的にどのような機器を開発しているかについて教えていただけますか?

山﨑:水素サプライチェーンについて説明します。まず海外から液体水素を船で輸送してきます。それを各地の港に運び、水素貯蔵タンクに貯蔵します。その後タンクから液体水素を各種ユーザーに送り出すのですが、そのためのポンプが必要ですよね。 例えば、水素発電を例にとると、発電用のガスタービンを回すためには、送られてくる水素に対してエネルギーを与える必要があります。それもポンプの仕事です。 その他にも、水素ガスを液化するプロセスがあり、そこに荏原の技術が使えないかを検討したりしています。 これらを私たちの部署で開発をしています。 また、部署は違いますが同じ水素事業系でいうと、水素自動車用の水素ステーションに使われるポンプなどが開発されています。 これらはどれかが欠けてしまうとサプライチェーンとしては成り立ちません。すべて重要です。この水素サプライチェーンを荏原が担っていこう!そんな意気込みで立ち上げている事業だと思っていただければと思います。

Q.藤原さんに質問です。大学でロケットベンチャーと共同研究で内情に詳しいとのことですが、ベンチャー企業の開発と荏原の開発の取り組みで違いとかありますか?

藤原:はい、やはりベンチャーはロケットに特化した企業なので、開発のスピード感やリソースの使い方においても違いがあります。会社全体で取り組んでいるので、スピード感もそうですし、人、お金は割り振られるといった感じですね。一方で、荏原製作所はポンプなど他の事業も行っており、特に(ヒューマン)リソースが若干足りない部分もありますが、それでも皆が協力して頑張っていこうという姿勢があり、周りを巻き込んでいかなければならない、またそういう人材が荏原の航空宇宙事業には必要なんだと感じます。

Q.先ほど航空宇宙事業でリソースが若干足りてないという話がありました。お2人とも新規事業に関連する分野ですが、新規事業に対する投資っていうのは、積極的に行われるものなのでしょうか?

藤原:投資や予算においては、詳細な情報が分からないんですけど、大企業の中では予算やリソースは確かに相応のものを割かれていると思います。ただ、他のロケットベンチャーに比べると、少し足りないと感じる部分もあるかもしれません。しかし、例えば解析ソフトなど、必要なリソースは割り当てられているので、それなりに資源が供給されていると思います。

山﨑:細かいことは言えないですが、会社としては新しい事業に対してかなりのリソースを投入していると思います。ただ、リソースというのは単にお金だけではなく人材も含まれます。正直、人材がまだ足りていない印象です。新しい事業を立ち上げる際には、まずは人材が不可欠であると思っていて、その点ではこれからなのかなとい感じています。今、目の前にいる皆さんこそが将来的なリソースとなってくれると私は信じています! 

Q.具体的なキャリアプランについて教えていただきたいです。五年後、十年後、さらにその先、20年後といった長期的なプランについてお伺いしたいです。また近くに自身のロールモデルのような先輩社員はいますか?

藤原:具体的には、五年後にはターボポンプの設計や市場調査、解析実験などを一通りこなせるエンジニアになりたいです。十年後には、もっと経験を積んで一人前のエンジニアになりたいと考えています。その時点で、プレイングマネージャーとして部門全体を俯瞰できる立場になりたいです。ただ、一番は何年後でもエンジニアとしての手を動かしながら実務をしたいという気持ちが強くあるので、マネジメントと技術者としてのバランスを持ち続けたいと思っています。

山﨑:キャリアプランについてですね。難しい質問ですね。今やりたい仕事が出来ているので、「何年後にアレやってみたい」というようなプランはまだちゃんと考えられてないです。ただ、意識していることは、新しいことを学び続け、日々成長していけるエンジニアでありたいと思っています。この姿勢が自然とスーパーエンジニアになるための基盤になると考えています。

藤原:私のOJTリーダーはまさに理想のスーパーエンジニアです。彼は社会人としては6、7年目くらいで、ターボコンポの設計など一人でこなせるほどのスキルを持っています。現状では彼を目指してたいと思っておりそうなるために日々努力しています。

Q.ゼロからモノを作り上げる開発業務に携わっていると思いますが、その中で壁にぶつかったり課題を乗り越える際に、どのような取り組みをされていますか?

藤原:ゼロからの開発では、壁ばかり分からないことばかりです。まずは自ら調べまくる。情報収集のために時間をかけたうえで自分なりの考えを導き出し、上司や先輩、研究部門の専門家に相談し、自分の考えを述べます。「これが私の考えですが、どう思いますか?」と聞いて、議論を重ねます。一つの正解があるわけではなく、制約の中で妥当な解決策を導き出します、というのが壁を乗り越えていくプロセスですね。こんな感じです。

山﨑:藤原さんと考え方が似ていますね。当社では液体水素を扱うポンプに関して、明確な答えを持つ人はほとんどいません。その中で、まずは自分で調べ、分からない点があれば近くの人や専門家(荏原でいうEOL)に相談します。それでも解決できない場合は、知見がありそうな人たちを集めて議論できるミーティングを開いたりします。いろんな方の意見を聞きながら少しずつ壁を乗り越えていくイメージです。一人で何かをするのではなく皆でコミュニケーションを取りながら、課題解決方法を探っていくというイメージです。

Q.部署やカンパニーを超えて協業することはありますか?

藤原:自分は去年、試験の担当もしましたが、やはり試験課の人たちだけでなく、さまざまな部署の人たちを巻き込んで仕事を進めています。それが面白いところであり、そういった能力が求められていると思います。

山﨑:一つのテーマに対して「部署を超えた大規模なプロジェクトチーム」を組まれることは滅多にはあまりありませんが、類似した開発テーマに関連する部署同士で技術交換をすることもあります。それこそ、今回の座談会に参加しているEOL(研究部門)の方々にも相談して一緒に課題を考えてくださったり。基本的には、自分たちだけで仕事をすることは少なく、他の部署や課と連携して一つの製品を作り上げるイメージです。

技術・知的財産統括部 ROOM

Q.新卒では「はんだ」関連の仕事をされていたそうですが、荏原に転職された理由を教えていただけますか?

近:「実は、ある懇親会で現在の上司にお会いし、”熱と誠”について語り合いました。特に”誠”の部分、つまり製品の信頼性の重要性について深く話し合いました。最近は他社での不正事例も耳にしますが、私たちメーカーとしては製品に対する誠実さが何よりも大切です。そうした話を聞き、荏原の2030年に向けたビジョン、E-Vision2030、特に半導体の微細化に向けた14Åの目標に非常に興味を持ち、ここでなら私も挑戦できると感じ入社を決意しました。

Q.髙尾さんは電子・制御の分野でどのような経験をされていますか?

髙尾:学生時代は流体力学を専攻しており、電機・制御の分野はまだまだ素人ですが、試験の現場や解析業務を通じて勉強中です。自分の裁量で幅広い技術分野に挑戦できる環境がここにはあり、医療用ポンプや液体水素移送用ポンプなど、新しいプロジェクトに挑戦していくことを楽しんでいます。

Q.ご自身の荏原での将来のキャリアプランについて教えてください。

近:将来のキャリアプランに関して、私は幅広い分野での経験を積むことを目指しています。現在は開発・研究や分析技術でサポートする業務に従事しており、これを通じて広い視野を持ちつつ深い専門性を築くことを目標にしています。今後は、後輩の育成やサポートに焦点を当て、リーダーシップの役割も果たしていきたいと考えています。将来的にはより広範かつ深い影響を持つポジションで活躍し、組織やチームの成長に貢献していきたいと考えています。

髙尾:電機・制御の分野では、まだまだ勉強することばかりですが、ジェネラリストとして多岐にわたる分野で経験を積み、異分野の技術を組み合わせた新製品の開発に取り組みたいと考えています。

Q.分析委託業務や研究業務についてもう少し詳しく教えていただけますか?

近:分析委託業務では、社内からの依頼に基づいて、原因解明や耐久性評価などを自社装置を用いて行います。対応が難しい場合は、外部の分析会社と連携して対応します。研究業務では、分析装置を駆使して長期的な課題解決に向けた研究テーマに取り組んでいます。得られた成果は特許化し、学会で発表することで、最新の技術動向を追いかけています。

Q.研究室で学んだことで、今の業務に活かされていることは何ですか??

髙尾:研究室では、実験・解析の両方に精通したエンジニアになることを方針としており、その経験は現在の業務に活きていると感じています。

Q.休みは取りやすいですか?

取りやすい環境であると思います。結構職場のみなさんも、チームメンバーと業務の調整をつけながら、有給取得は取得されています。当社は、社員のワークライフバランスを重視しており、休暇取得を積極的に推奨する環境です。有給休暇取得率は8割程度です。個人の休暇取得を尊重する意識も根付いていると思います。

就活生へのメッセージ

装置開発課 

小山 哲也

装置開発課 
航空宇宙技術課

藤原 悠太

航空宇宙技術課

小山哲也

荏原として、金属3Dプリンタの開発など、新しい取り組みに挑戦している事業に魅力を感じていただけたら嬉しいです。金属3Dプリンタは、さまざまな要素や技術が組み合わさって一つの装置を形成するため、様々な分野の技術を活かすことができるという魅力があります。また、ベンチャー企業のような側面もあり、他の大手国内メーカーにはない新たな挑戦の風景を味わえるかもしれません。ぜひ来年入社していただき、一緒に働けることを楽しみにしています。

藤原悠太

自分は今、やりたいことを実現できる部署に配属されました。とても幸運だと思っています。ただ、進路を決める際には迷いもありました。最初に志望していた会社に落ちたこともあり、自己否定の気持ちに陥ることもありました。おそらく皆さんも就職活動するなかで同じような経験があるかもしれません。ただ、今いる道を正しい道にするために、精一杯頑張るしかありません。どんな進路を選んだとしても、日々努力し、成長することが大切だと思います。皆さん、就活は大変だと思いますが、応援しています。

山﨑 賢

本日、皆さんとお話させていただき、進路に悩んでいる印象も受けました。しかし、皆さんには興味を持っている事業もあるようで、是非それを心に持ちながら就活を続けていただきたいと思います。就活は人生においてかなり重要なターニングポイントだと私は考えています。私自身、大学受験が人生の中で最も重要だと思っていましたが、社会での活動期間の長さを考えると、就職活動がその最初の一歩だと感じます。皆さんがやりたいことがあるなら、自分自身に妥協せず、その『やりたいこと』を徹底的に追求してほしいと思います。やりたいことを実現できると、社会人生活がより楽しくなり、やりがいを感じることでしょう。時には心が折れそうになることもあるかもしれませんが、そこで諦めずに前に進んでほしいと思います。荏原製作所を選んでいただけると、私としては大変喜ばしく、本日の座談会に参加して良かったと思います。まもなく進路が決まることかと思いますが、最後まで突っ走って頑張ってください!

近隼也

荏原に入社し、本当にさまざまなことに挑戦させていただいており、そのことにすごく有難いと思っているところが今の私の本音です。同時に、大学時代に経験したことが人生のほんの一部であることを感じました。だからこそ、その一瞬を全力で楽しんでほしいと思います。全力で取り組んでいれば、就活中にさまざまな試練があるかもしれませんが、その経験が活かされると信じています。企業の面接官は、その経験を見ています。ですので、現在取り組んでいることに全力を尽くし、後悔のないように就活してください。失敗しても、私のように転職する道もあります。もし機会があれば、荏原でまたお会いできれば幸いです。荏原でなくても、どこかでご縁があればお会いしましょう。

髙尾 俊哉

皆さん、とても真面目で、色んなことを考えられているなと感じました。私は学生時代に自分もそんな風に考えていたかなと思いながら、お話を聞かせていただきました。私としては、就職活動において一番重要だと思っていたことは、ありのままの自分を表現し、自分自身であることを大切にすることです。無理をして作り上げることなく、自然な姿で就職活動に臨んでほしいと思います。そうすることで、採用される側とのミスマッチや入社後の後悔といったものを避けることができると思います。ありのままの姿を大切にしてください。最後まで妥協せず、諦めず頑張ってください。私たちも応援しています。荏原での働いて頂けることを楽しみにしています。

水素技術(回転機器)課

山﨑 賢

水素技術(回転機器)課
化学・分析研究課 

近 隼也

化学・分析研究課 
電機・制御技術研究課

髙尾 俊哉

電機・制御技術研究課